2007. 10. (11歳)
作・U坊



俺は、この10年間石を集めてきた。
本当に形のいい石にはまだ1つしか出会っていない。
その石は、俺の机の上に飾ってある。遠くの砂浜で拾ったものだ。
灰色と黒が交じったような、一箇所がくぼんでいる珍しい石。

ある朝、目を覚ますと石が俺の枕元にあった。
そういえば、昨日、この石を見ながら眠ったのだった。
よく見てみると、石の形が少し変わっている。
この石を拾って4年間、ずっとながめているからわかるのだ。
俺は石をよく調べてみた。指でこつんこつんと叩いてみると、明らかに中が空洞のようだ。
俺はそのままいつもの場所に石を戻した。

石が割れやしないかと心配しながら、夜、床に就き、そのまま眠ってしまった。
予定ではまだ仕事が残っていた。

次の朝、目を覚ましてみると、また枕元に石があった。
前のように丸くはなく、ところどころ角張っていた。
俺は石屋に持っていくことにした。
石屋の主人は、石をよく見てから、
「特に異常はない」
と言った。
俺は安心した。

次の朝、石が四角くなっていた。それに、この前より黒くなっているようだった。
その石を持ち上げてみた。
あまりにも軽い。だが、その割にとても固い。
俺は、その夜、石を割ってみることにした。
家にある金づちで叩いただけで、石は簡単に割れてしまった。

中から、ドロドロとした緑色の液が流れてきた。