2007. 3. (10歳)
作・U坊



「さて、今から1952年に行こう」
「1952年に何かありましたか?」
「バカモノ! わしの生まれた年だ」
「何で行きます?」
「バスか、電車か・・・」
「1952年だから、潜水艦にしましょう」
「バカ! 潜水艦はだめだ!」
「ではどうしましょう」
「馬ででも行くか」
「馬ですね」
ヒヒン。パッカポッコ。

「さあ、ついたぞ」
「1952年ですか」
「街の中だな」
「1952年はいいですね」
「では、母を殺しに行こう」
「私の?」
「バカ! わしのだ」

「ここが病院です」
「では、この病院ごと燃やそう」
「はい、マッチ」
シュッ、ボウボウ。
「火がついた。さて、逃げるぞ」
ヒヒン、パッカパッカ。

「待てい」
「まずい、警察だ」
「撃つぞ!」
「わぁ」
ドキュウ!
「しまった、馬がやられた」
「死にました」
「どうしよう」
「もうだめだ」
「とにかく逃げましょう」

「待てい」
「待つものか」
「待たぬか」
「待たぬ」
「待たぬか」
「待たぬ」
「待てい」
「いやだね」

「もっとはやく逃げましょう」
「そうだ、未来へ帰るのだ!」
「未来? きさまに未来などあるものか」
「何だと?」
「これを見ろ」
「わっ、ピストルだ」
ドキュウ。
「僕は、あなたの父親だったんだ!」