2003. 9. 2(8歳)
作・U坊/リライト・Umiko



「やあ、博士」

「やあ、とおるくん、ひさしぶりじゃなあ」

「タイムマシーンはできたの?」

「あと一時間でできるぞー」



一時間後……。



「タイムマシーンが完成したぞ!
 では、とおるくん、どこに行きたい?」

「旧石器時代に行きたいな」

「よし、出発だ!」



ビューーーーン!



ところが。

「わーーー!
 機械が故障したぞー、
 とおるくん、何時代か知らないが、ここに飛び降りろ!」



どすんっ! 



二人は、ずっと過去のわからない時代に飛び降りました。

「いつの時代に降りたんだろう。・・あ、マンモスがいる!」

「博士ー、ここは旧石器時代じゃなくて、新生代第三期じゃないか」

「ちょうど氷河時代のようだ」

「でも博士、タイムマシーンはずっと過去へ一人で行っちゃったよ……どうやって現代に帰るの?」

「さあ・・時間が過ぎて現代になるのをるのを待つか・・」

「死んじゃうよ!!」




博士は仕方なく、タイムマシーンを作ることにしました。
こんな時のために、ポケットの中に機械の部品を持っていたのです。




ところで、過去に行ったタイムマシーンはどうなったのでしょう。
タイムマシーンは、一人で先カンブリアの前の、地球誕生の前の、宇宙誕生のビッグバンよりも前まで行ってしまいました。そして、宇宙の果てで、無重力にこわされて、鉄のクズになりました。

それが、時々降ってきて、隕石になるのです。




さて、博士たちは、2003年に戻ろうと、新しく作ったタイムマシーンでまた旅立ちました。

「出発だ」

ビューーーーーン!

「あれ、今度はブレーキがきかないぞ!」

「わー、現代を通り過ぎちゃったよー」

キキーーーーーーーーーーーン!

2003年に行くつもりが、止まったのは3002年でした。二人はタイムマシーンを降りて、この時代を探検してみることにしました。

「だけど、3002年にしては、なんにもないなあ」

「あ、排気ガス……と思ったら、毒ガスが出てきたぞー!」

3002年の地球は、毒ガスで覆われていて、生き物は絶滅していたのでした。

「早く、タイムマシーンにもどれ!」

「毒ガスが、追いかけてきたぞ……」

「わーーー……むむむ」

やっとのことでタイムマシーンに逃げ込んだと思ったら、毒ガスがタイムマシーンのまわりを囲んで、中に入ろうとしはじめました



「しょうがないなあ、もっと未来に逃げよう」

博士は、タイムマシーンをスタートさせました。

ビューーーーーン!

二人は、もっと未来に逃げました。すごーく未来なので、どのくらい未来なのか博士にもわかりません。

「さすがに毒ガスもこんな未来までは追いかけてこないよね」

「ここで降りよう」

博士ととおる君は、タイムマシーンから降りようとしましたが……。

「と、思ったら、ここは宇宙じゃないか、なんでタイムマシーンが宇宙に行けるんだ」

「あれ、地球がない!」

二人が降りようとしたところには、地面がなくて、タイムマシーンはただ宇宙にうかんでいました。

「そうか。地球絶滅のあとに来てしまったんだ」

「博士ー、どうしよう・・」

「もう少し過去に逃げよう」

二人は、また、タイムマシーンで、少し過去に戻りました。ところが。

「と、思ったら、毒ガスがいたーー」

「わー、毒ガスと地球絶滅に挟み撃ちにされて、現在に帰れないー」



博士はまた、ポケットの部品で機械を作ることにしました。

「よし、毒ガス吸い込み機を作ろう」

「あーーー、だけど、そんなことをしてる時間が……」

「できたぞ!」

「早い!」

ゴォォォォォォーーーッッ!

博士は、毒ガス吸い込み機で、毒ガスを全部吸い込みました。




「ふう、毒ガスがなくなったから、2003年に戻ろう」

ビューーーーーン!

こうして、ふたりは2003年の研究室に戻ってきたのです。

「やっぱり、現代がいちばん落ち着けるや」

「だったら、なんのために、タイムマシーン作ったんだ!」


(おわり)